2012年6月19日
世界が注目する21世紀教育の潮流「グリーンスクール」
2011年の2月の後半から3月初旬まで、インドネシアのバリ島に住む友人に会いに行きがてら「バリ島の稲作や畑作・果樹農業」「熱帯の養蜂」を見て回りました。
どれもが興味深かったのですが、特にバリ島の現地で知った「グリーンスクール(Green School)」の存在です。
我々夫婦も、すぐに見学を申し込んで行ってきました。
今回は、そのグリーンスクールについて訪問記をお伝えします。
グリーンスクールとは?の紹介は、現在様々な形で成されています。その主な捉え方は、
▽未来の学校・・・
▽生きるための教育・・・
▽サスティナブルな社会での教育・・・
▽世界で一番美しい学校・・・などです。
世界中から子供をグリーンスクールへ入学させるためにバリ島にやってくるという・・・。
とりあえず、見に行きます。
グリーンスクールへ向かいます
バリ島のウブドという中心街から車で田園地帯を走りながら約20分ほど、熱帯の椰子畑や森のなかの車一台がやっと通れる道へ入って行くと、広さ10万㎡(東京ドームの約2倍)のグリーンスクールの西側の入り口にたどり着きました。
少し待っていると、10名が見学者として集まっています。インド人、中東、アメリカ、ヨーロッパ・・・などからの見学者です。我々のみが日本からの訪問でした。
案内していただく方は、グリーンスクールの先生です。
2008年9月にバリ島のウブドの郊外に開校されたGreen Schoolは、「グローバルな21世紀社会を担う子供達たちのための、自然と人間の共存をテーマとした21世紀社会を担う子供達の教育の場」とのこと。
持続可能(サスティナブル)な生活をテーマに学習するこの学校は、バリの自然を生かしたロケーションと、インドネシアの竹をふんだんに利用した美しい建築が訪れた者の興味を引きます。
竹を使った建築が目を見張る
グリーンスクールを訪れて最初に驚くのが、竹を使った建築です。
エコ(エコロジー)をテーマとしていることから、インドネシア産の竹を主材料として、全ての学校内の施設を作っています。
竹を使った建築は、インドネシアでは一般的なのですが、体育館や教室など、大きな建築空間のほとんどを竹で作っている例は見かけません。
住宅やホテル、コテージなどでは、石材やコンクリート、木材との併用によって強度を維持する構造になっています。
「竹」という素材の持つ色彩や繊細さを活かした建築は、竹を良く知る我々には、他国からの訪問者と違った印象を与えたと思います。
竹を加工するときの難しさ。竹はしなって、繊細であるけれど、割れる危うさ。竹の寿命などです。
しかし、インドネシアの竹と日本の竹(孟宗竹や真竹など)は、どことなく雰囲気が違います。グリーンスクールに使われている兎に角太い竹は日本では見かけません。
インドネシアをはじめ東南アジアに見かける「ゾウタケ」(象竹)といわれる竹です。世界で一番大きくなる竹です。
竹の高さが30mも成長して太さも30Cmにもなるものがあります。
そして、日本の竹のように地下茎で増えていくのではなく、一株の竹の根元から複数出て株立ちするのです。
竹林ではなく、竹が株立ちした樹木のように育ちます。たくさんあれば竹森?!ですね。
グリーンスクールでは、このゾウタケを建築に活かして基本的なエコイメージを構築していました。