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バリ島のグリーンスクール「Green School」訪問記(3)最終

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2012年7月23日

グリーンスクールの見た目の特徴は、ロケーションと竹をふんだんに使ったデザインされた建築です。

しかし、本当の学校の目的は、自立した人間を育てるコトにあります。

グリーンスクールでは、世界中から集まった2歳〜15歳までの子供達が、自主性、主体性を重んじた生きるための実践的な教育を学びます。
机上の学習よりも体験学習に重きを置く教育です。
自然豊かな環境で、野菜作りや家畜の飼育体験、川の水質調査から水質改善の研究。バリの伝統芸能や伝統的なスポーツを通じて伝統文化を学び、そしてカフェを運営するなど、広い視野で実践的な体験学習の場となっています。

グリーンスクールを見て感じたこと

場所の環境を整えて、カリキュラムを整えた大人達の思いが形になっているということです。

子供達に、国際性と自由な創造性を身につけてもらいたい、そして、自身の考えで行動する主体性を身につけてもらいたい、こうあって欲しいと願う大人の心情を具現化している学校です。
世界中のお金持ちの子供達が集まっていると言うことは、世界中のお金持ちの親たちの本音の志向が確認出来ます。
経済だけに頼らない生き方を子供達に学ばせたいということは、経済社会が危うくなると潜在的に皆が思っていると言うことです。
不思議なのは、大人達、親自身の生活の場ではなく、日常とは異なった学校という場でそれを学ばせようとしていることです。

グリーンスクールで学んだことを子供達は、親たちに語るでしょう。
親たちは、子供達のこ言葉に満足げに聞き入るでしょう。
クーラーのよく効いた部屋で!

親たちにとっては、グリーンスクールは自分たちが探していた理想に近い「非日常的」学校です。
子供達にとっては、日々通うグリーンスクールは「日常」の場です。そして、学校から帰った我が家も「日常」の場です。異なった「日常」がふたつ存在しています。
私が、グリーンスクールの素晴らしい場所と解説に違和感を感じたのは、子供達の家庭と学校の環境のギャップです。どちらが、本当の生活なのか?
グリーンスクールで学ぶ体験学習は、学校という場で学ぶべきことなのか?

グリーンスクールからホテルに帰る車中、
遠くの椰子の森は逆光のシルエット。
まぶしい夕陽に光るパノラマの田園風景。
土埃の中を行き交う人。
畑仕事を終えた人々の井戸端会議。
今を生きるバリ島の夕暮れを車は走った。

世界中から富裕層の親たちを呼び込んだグリーンスクールの学校戦略は経営的に成功しています。
しかし、卒業した子供達の未来はどうでしょう。
グリーンスクールの大人達の思惑が、陳ねた私には気になりました。はるばるバリ島まで来て、子供たちの教育を他者にゆだねる親たち。それが親たちが子どもに求める「生きる」ための主体性なのか、自主性なのか。
親たちが今を生きる姿勢こそが、子供たちに伝えるべきものではないでしょうか。

バリ島のグリーンスクール訪問記(1)

リ島のグリーンスクール訪問記(2)

バリ島のグリーンスクール訪問記(3)