Bee Forest Clubハチの誤解・矛盾生物多様性

みんなの誤解が自然を壊す!

Bee Forest Club
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人間の過剰な自然利用や消費によって、生物多様性や生態系が喪失して気候変動など多くの異変が起きていると言われています。これに対して、国や自治体、NPOなど世界的にも多くの人々が生物多様性の保護と称してミツバチ保護や養蜂を広げています。
しかし、その考えや行動が生物多様性や生態系を壊しているとしたら・・・今一度、ご確認してください!

ハチは怖い?

多くの日本人は、虫がキライと言います。特に「ハチ」と聞くと「刺されるから怖い!」、近づくのも怖く見ようとしません。全てのハチが殺虫剤や駆除業者によって駆除される対象になっています。ハチに刺されると腫れて時には死に至ることもありますが。なぜかスズメバチに二度刺されると死ぬと思っている方がたくさんおられます。(※01)
学校でも「ハチ」についての生態や役割の違い、刺された時の対応など正確には教えていないようです。では、海外ではどうでしょう。

英語圏では、ハチをBee(ビー)とWasp(ワスプ)の二種類に分けて教えているとのことです。
Beeは「花バチ」です。花の蜜や花粉を食べて草木の花に受粉する昆虫です。メスはハリを持っていますが、大人しく自分たちから人を襲うことは、滅多にありません。日本ミツバチもこの仲間になります。
Waspは、「狩バチ」という意味です。花バチ以外のハチで、他の虫を針で刺し殺す狩りをして食べるハチ類です。アシナガバチやスズメバチなどです。特に獰猛と言われるオオスズメバチは、Hornet(ホーネット)と呼ばれています。

◆知らないことは怖いコト!

BeeもWaspもハチ達は習性が異なり、それぞれの生態や役割があります。
アシナガバチやスズメバチも野菜や果樹などを食べる虫を食べてくれるので人間いとっては有益な昆虫です。全ての昆虫や生物の役割や生態を理解することは不可能ですが、自然にとってなならかの役割を担っていることは間違いありません。
私たちは、街中に犬や猫がいても怖がって攻撃的になりません。犬も時として噛みつき猫も引っ掻きます。しかし、その習性や生態を知っているので、近づき方や距離の保ち方を知っているため事故につながりにくいのです。ミツバチやスズメバチなどのことを犬や猫のように知らないだけなんです。知らないから「怖い!」のです。
「ハチが怖い!」から殺すのではなく、BeeとWaspの違いぐらいは理解して、付き合い方、距離の取り方を学びましょう。

(※01)実際は、アレルギー体質や体調によるのですが、刺される刺激で体内にアレルギー反応が起きて、アナフィラキーショックを起こす場合があります。息苦しさなどの体調変化の兆候がある場合は、すぐに病院に行って治療を受ける必要があります。

あなたの「ミツバチ」のイメージ?

あなたは「ミツバチ」と聞いてどんなことをイメージしますか?
例えば
・黄色と黒の縞模様のミツバチのイラスト
・アニメの孤児ハッチやマーヤ
・ミツバチと森のクマさん
・レンゲやアカシヤなど花の名前がついた蜂蜜
・白い服を着た養蜂家
・四角い箱がたくさん並べてある風景
など、このようなことが浮かぶのが一般的なようです。
実は、これらのイメージは、全て「西洋ミツバチ」が基になったイメージでなのす。そして、ほとんどの日本人はミツバチはみんな同じだと思っています。しかし、実際、日本には役割の全く違った二種類のミツバチがいます。西洋ミツバチと日本ミツバチです。

ABどちらが、西洋ミツバチ、日本ミツバチでしょうか?
※答えは、最後にあります。

西洋ミツバチとは

明治の初め、アメリカから日本に養蜂ために移入された外来種で家畜のミツバチが西洋ミツバチです。ニワトリのように扱い易く人工的に生産できて、蜂蜜を獲るために使う家畜です。養蜂家は、この西洋ミツバチの女王蜂や群れを自由に増やすことができます。そのため西洋ミツバチ養蜂は一気に日本中に広がり養蜂産業が生まれました。

西洋ミツバチ養蜂の風景
西洋ミツバチ養蜂は、個人や企業の経済活動です

日本ミツバチとは

しかし、日本には太古の昔から森に棲む野生の日本ミツバチがいます。草木の花を受粉して、他の花バチと共に日本の森をつくり農作物にも受粉してきました。ところが野生昆虫なので人間の言うことは聞いてくれません。巣箱に入ったと思えば居なくなったり、蜂蜜を取ると逃げたりと人間が安定してコントロールするには難しいミツバチです。
昔の養蜂は、ゴウラと呼ばれる丸太をくり抜いた丸胴巣箱を用いていました。野山にゴウラを置いてミツバチが自然と営巣して蜂蜜を貯めた頃を見計らって蜂蜜を取りに行く営みです。現在は養蜂と呼んでいますが、キノコや木の実を採る狩猟採集的な行為であったようです。

岩肌に設置された日本ミツバチの巣箱の風景
野生の日本ミツバチ達は、太古から森を作ってきたが評価は無い

養蜂のための西洋ミツバチ

西洋ミツバチは、ひとつの群れが3〜5万匹と大きくなります。行動半径も巣箱から半径3〜5km活動できると言われます。そして、大きさは、在来種の日本ミツバチよりも1.3倍ほど大きく、種類もいくつかありますがオレンジと黒のカラーの西洋ミツバチが一般的です。大昔から人間に家畜として優秀な種が選ばれながら育てられてきたので、採蜜能力や繁殖能力は優れています。

養蜂は「蜂を養う」訳ですから、西洋ミツバチ養蜂家のように砂糖水をやって女王蜂や働き蜂を増やしたり、女王蜂が必要以上に増えないように女王蜂が生まれる王台と呼ばれる巣を切除したり、定期的に病気やダニの薬を飲ませて駆除したり、また、人工的に巣を作って効率よく働き蜂に採蜜行動のみをさせるなど、蜂蜜の生産性を高める作業を家畜の西洋ミツバチ養蜂家は行なっています。
その点、日本ミツバチは養蜂には向いていないようです。養蜂家の手を借りずに、巣箱などの棲める空間さえあれば、自分たちで巣を作り採蜜して蜂蜜を貯めて生きています。軒下に棲むツバメのように人の手を借りずに自由に生きていけるのです。

日本ミツバチのイメージに変えたい

ほとんどの日本人が思うミツバチとそのイメージが、外来種のミツバチだったと知って時、本当にショックでがっかりしました。
私たちビーフォレスト•クラブは、日本の森や農作物を受粉して、景観や文化までつくってくれた日本ミツバチ達に感謝しています。そして、減少していく日本ミツバチを増やすとともに、日本人のミツバチのイメージを西洋ミツバチから日本ミツバチに換えることもビーフォレスト活動の大きな目的となっています。

※日本にいるミツバチの答え:Aは西洋ミツバチ、Bは日本ミツバチです。

生物多様性の保護のためにミツバチ(養蜂)を増やす?

「生物多様性や生態系を守るためにミツバチや養蜂を守りましょう!」と訴える人々が日本にも世界中にもたくさんいます。
草木や農作物を受粉するミツバチ(養蜂)が減って、生物多様性が脅かされている。生物多様性や食糧生産を守るためにもミツバチ(養蜂)を守り増やさなければならないほど大変な状況だ!と言う。
そして、養蜂振興を訴え広げています。

Googleで「養蜂×生物多様性」「ミツバチ×生物多様性」で検索

わんさと出てきます。下記は、ほんの一例です。
検索の中には、妥当な内容もありますが総じて下記に類した内容がほとんどです。

・ミツバチと養蜂を通じて、環境を守る
https://www.audacejapan.com/news/pdf/20160301.pdf
・ミツバチの暮らしを支えると同時に、女性たちをエンパワーメントする
https://dowellbydoinggood.jp/project/environment/
・ハニースマイルプロジェクト
https://www.fujitsu.com/jp/group/coworco/about/environment/honey/
・ミツバチの飼育による生物多様性および生態系の保全活動
https://policies.env.go.jp/nature/biodiversity/30by30alliance/documents/pdf/30by301870531kayamakActivities.pdf
・都心の養蜂から生物多様性を考える
https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20210702_01
・ミツバチプロジェクトによる都市域の生物多様性への取組み
http://www.uit.gr.jp/members/thesis/pdf/honb/306/306.pdf
・ミツバチプロジェクト いきものにぎわうまち
https://www.kajima.co.jp/gallery/biodiversity/bee_project/index-j.html
・ミツバチが教えてくれる生き物とのつながりプロジェクト
https://www.city.sapporo.jp/kankyo/biodiversity/machinaka/26honey_bee.html
・養蜂と都市緑化を行う Beeslow が初のNFTコレクションをリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000059660.html

共通する問題意識
・草木や農作物に受粉するミツバチが激減して自然も食糧問題も大変だ、気候変動などにも影響する。
・生物多様性を守るためにもミツバチを増やして養蜂をやろう。
・養蜂をやって蜂蜜を取って販売して地域おこしもやろう。
そして養蜂活動の動機
皆さん、草木や農作物に養蜂の西洋ミツバチが受粉することが本来の姿だ。また、西洋ミツバチもポリネーター(送粉者)として充分な役割を担っている。そのミツバチがいなくなったら大変だ!養蜂を広めよう!と言うことでしょうか。

疑問01:生物多様性は野生の生物が対象です

ここで大きな疑問があります。生物多様が喪失する問題は、野生の生物の減少じゃなかったの?
養蜂の西洋ミツバチは、外来種であり人工的に増やして養蜂家の資産として管理される条件で生存しています。ニワトリや豚や羊と同じ家畜です。生物多様性や生態系は、家畜では補えない問題です。

疑問02:西洋ミツバチ養蜂のコロニーは世界的に増えています

西洋ミツバチを増やす、また養蜂を広める理由として、世界的にミツバチが激減しているという話から来ています。ネオニコチノイド系農薬や謎の失踪でミツバチがいなくなって大変だと言われます。
しかし、世界中のミツバチのコロニー(蜂群数)は増えています。
2017年までのFAOのデータです。
20世紀後半から少し減少傾向にあるのはヨーロッパと北米です。
しかし、その他のアジアや中南米、アフリカ、オセアニアは明らかに増加しています。これは、他の産業と同じように養蜂産業が、賃金が高いヨーロッパと北米から、より賃金の安い後進国へ移行していったと推察されます。

このように、一見してコロニーの数が世界的に大きく増加しているのが分かるのですが、それが何故、ミツバチが減少していると伝わっているのでしょうか?

Beeの日本語訳は「花バチ」です

英語のBeeの日本語訳には、「ハチ」「花バチ」「ミツバチ」という訳があります。現在、世界でBeeがいなくなって大変だという場合は野生の「花バチ」の意味なのです。家畜の西洋ミツバチやマルハナバチではありません。また、人工的に増やす家畜化したマルハナバチでもありません。

ところが、ネット社会での問題でもあるのですが日本語の自動翻訳のほとんどが、Beeを「ミツバチ」(養蜂)と訳しています。これによって、その情報を受けた人々は、間違った情報を伝播して日本中を駆け巡っています。間違った情報は、意図的か無知か、または、自動翻訳の間違いか?・・・流れ出た情報は止まりません。ミツバチに限らずネット社会の大変な問題です。

Beeを「ミツバチ」と訳された恐ろしい事例

国際連合食糧農業機関 (FAO)のHPから「Bee」と検索した日本語のページです。
https://www.fao.org/common-pages/search/en/?q=bee
まず最初に
ミツバチには 20,000 種以上の種がいます。· 養蜂は、小規模生産者や農村コミュニティの生計と食料安全保障を支えます。・ミツバチは蜂蜜を生産する…
とありますが、世界にいるミツバチは9種類です。20,000万種以上の種とは、「花バチ」を指しています。そのリンク先はというと、https://www.fao.org/world-bee-day/en/「養蜂の取り組み – ミツバチと養蜂システムの多様性を称える」と題して
・・・養蜂は広範囲にわたる世界的な活動であり、何百万人もの養蜂家が生計と幸福をミツバチに依存しています。ミツバチは、野生の花粉媒介者とともに、生物多様性の維持、多くの植物の生存と繁殖の確保、森林再生の支援、持続可能性の促進、気候変動への適応、農業生産の量と質の向上において主要な役割を果たしています。
FAOは、なんと家畜のミツバチと野生の花バチと一緒に広げようとしているのです。

二つ目は
FAO – ニュース記事:ミツバチの個体数の減少が地球規模での脅威となっています …
2019 年 5 月 20 日…ミツバチの個体数の減少は、世界の食料安全保障と栄養に脅威をもたらします。FAOは各国に対し、私たちの重要な命を守るための取り組みを強化するよう要請しています…

とあります。リンク先も花バチをミツバチと取り違えた説明が続きます。
上記のような事例が国際機関(FAO)やその他の機関からもたくさん垂れ流しされています。また、生物多様性や持続可能性保護のために養蜂振興を世界に呼びかけています。家畜のミツバチを増やすことが生物多様性を守ることなのでしょうか?このような矛盾した状況を誰も指摘しないのでしょうか?不思議でなりません。

生物多様性は野生の生物を対象としています!

地球上に野生の哺乳類は4%しかいない!
地球上の哺乳類の数を調べたデータでは、人類が34%(約80億人)で、家畜の数が62%です。
野生生物が4%しかいないのに対し、哺乳類の96%が人間と家畜で占められています。
家畜の哺乳類とは、牛や豚、バッファロー、山羊、羊、馬、ペットなどです。
生物多様性保護のために家畜を増やして、自然の生態系の役割を担ってもらおうとすることは不可能ですし、それ自体が生物多様性や生態系を破壊することになります。

国際連合食糧農業機関(FAO)とは
– Food and Agriculture Organization of the United Nations (FAO)
国際連合の専門機関の一つで、その主な機能は、
(1)国際的な検討の場の提供(総会、国際会議の開催等)
(2)国際条約等の執行機関(国際植物防疫条約、食糧農業植物遺伝資源に関する国際条約等)
(3)世界の食料・農林水産物に関する調査分析及び情報の収集・伝達
(各種統計資料、世界農業白書、世界食料情報・早期警報システム(GIEWS)等)
(4)開発途上国に対する技術助言、技術協力(フィールド・プロジェクトの実施等))

西洋ミツバチ養蜂が生物多様性を壊す!?

世界中に野生のBee「花バチ」は、約22,000種いると言われます。彼らは、野生の草木の花や農作物から食糧となる「花の蜜」と「花粉」を受粉をする代わりに花からもらいながら生きています。そして、その地域の生物多様性の重要な役割を担っています。
ところが、そこへ養蜂箱を積んだ養蜂家が来て、たくさんの巣箱を置きに来ます。そして、家畜の西洋ミツバチを使って、半径3〜5キロの蜜源から蜜を集めさせて蜂蜜を取るのです。
養蜂家は、西洋ミツバチも受粉するから自然の生態系にとって良いことだと思い込んでいるようです。しかし、その地域の蜜を根こそぎ取られた場合、野生の花バチたちの食糧は無くなってしまいます。

FAOが言う・・・ミツバチは、野生の花粉媒介者とともに、生物多様性の維持、多くの植物の生存と繁殖の確保、森林再生の支援、・・・
養蜂のミツバチは、野生の花バチたちの蜜を一方的に略奪していくのです。生物多様性を破壊していることに気づかないことに驚きを隠せません。

昆虫学者たちの見解

これについて、国立環境研究所 五箇公一(ごか こういち ):日本の昆虫学者。農学博士の答えをご紹介します。引用先:子ども大学水戸 https://www.cu-mito.or.jp/archives/1735

●質問3. 外来種は全てに害があるのでしょうか。外来種がその土地に良い影響を与えることもありますか?

外来生物は本来その土地にはいなかった生物であり、そうした生物が侵入することは地域固有の生態系システムを元の状態から異なる状態に変えてしまうことになります。
この変化は自然の流れ(進化の歴史)では起こり得なかった変化であり、やはり外来種を持ち込むことは自然の流れに逆らう行為だと言えます。
外来生物が持ち込まれることで、例えば外来雑草や外来樹木のおかげでCO2の吸収が高まり、温暖化が抑制された、という効果や、あるいは外来のミミズが侵入したことで土壌の栄養素が豊かになった、といった変化は、人間から見て都合のいい変化であって、自然界から見れば、本当なら起こらなくてよかった変化であり、やはり自然の流れに逆らう現象だということになります。

人間の役に立っている外来生物のトップランナーはセイヨウミツバチです。

このハナバチはヨーロッパ原産で家畜化されて世界中に巣箱が移送されて、花粉媒介やはちみつ生産に利用されています。
このセイヨウミツバチは人間の役に立っており愛すべき昆虫として扱われていますが、彼らが増えれば増えるほど、そして私たちにハチミツをたくさん供給してくれればくれるほど、自然界では在来のハチや昆虫たちが餌を奪われ、その数を減らすことになります。
実際にセイヨウミツバチが大量に飛び回っているエリアでは、他のハチやチョウが飛んでこないことが知られています。

有害か無害かは全て人間側の都合で決められます。
外来生物は増えれば何らかの影響を生態系に与えることには変わりはありません。

以上が日本を代表する専門家の答えです。また、他の昆虫学者は同様の見解のようです。
西洋ミツバチ養蜂が、地域の野生の花バチを消滅させている事実を広めなければなりません!
本当の生物多様性を回復するために!

養蜂振興法に理解されないビーフォレスト活動

ビーフォレスト・クラブは、生物多様性回復を目的として、花バチを増やすために全国で仲間を募り、森や農園などに日本ミツバチが営巣できる巣箱を設置して繁殖活動づくりを広げています。巣箱には養蜂ではないことを示すために巣箱カードの掲示を進めています。

巣箱カード使用例

ところがビーフォレスト活動中に「養蜂振興法に準じて、養蜂の飼育届けを出してください!」と都道府県の関係者に強く言われます。都度、ビーフォレスト活動の趣旨や方法、養蜂では無いことなどを(ホームページを案内も)説明しても理解していただけず困っています。
政府や都道府県は、生物多様性条約や生物多様性戦略に基づいて国民に活動を促しています。NPO法人 ビーフォレスト・クラブは、それに参加しているにも関わらず本当に残念で仕方ありません。
※ビーフォレスト・クラブの本部がある奈良県の畜産家などでは、理解をいただいています。

養蜂振興法の対象では無いビーフォレスト活動

◆養蜂振興法の目的
第一条 この法律は、養蜂を取り巻く環境の変化、農作物等の花粉受精において養蜂が果たす役割の重要性等に鑑み、蜜蜂の群(以下「蜂群」という。)の配置を適正にする等の措置を講じて、蜂蜜、蜜ろう、ローヤルゼリー等の蜜蜂による生産物の増産を図り、あわせて農作物等の花粉受精の効率化に資することを目的とする。

と、あります。養蜂振興法は、農作物や蜂蜜生産などの養蜂産業についての法律であり、生物多様性や生態系などの自然保護、回復を目的としていません。ビーフォレスト活動は、破壊されていく自然環境や生物多様性を取り戻すために皆んなの利益、産業の基盤を守る活動でもあります。

(平成24年11月1日付け24生畜第1581号農林水産省生産局畜産部畜産振興課長通知)
(問9)ニホンミツバチを飼育する場合でも届出は必要ですか。 
(答) 
1 :本法では、ニホンミツバチとセイヨウミツバチが区別されていませんので、原則と して届出が必要です。 
2 :しかしながら、本法の「飼育」とは、蜂群、蜂蜜等に対し所有又は占有の意思を持 って、巣の設置、給餌、投薬等の行為のいずれかを行うことなので、野生の蜜蜂を観察し、当該蜂群から採蜜等を行う場合は「飼育」にはあたらず、届出は不要です。

上記の(問9)答え2の・・・本法の「飼育」とは、蜂群、蜂蜜等に対し所有又は占有の意思を持 って、・・・とありますが、巣箱カードの内容にあるように、巣箱はビーフォレスト・クラブが管理していますが、巣箱を利用する野性の日本ミツバチは自由です。ビーフォレスト管理者が、所有や占有する対象ではありません。軒下に来るツバメと同じです。
よって、養蜂振興法の対象ではないことがご理解いただけると思います。

◆生物多様性回復活動の大きな障壁

養蜂振興法の届け出のような矛盾した政策や無理解の対応が、日本の自然環境を守る活動の前に立ちはだかっています。
NPO法人 ビーフォレスト・クラブに参加する市民は、生物多様性の喪失に大変な危機感を持っています。国民の自然資本である「花バチ」を守ることによって生物多様性回復を願っています。

日本は世界第三位の森林大国か?

日本は、世界の中で第三位の森林大国と言われますが、その実態は・・・

実際は生物が棲めない森林が半分もある!

日本の森林は、世界第三位の森林大国と言われます。国土の2/3を覆う「森林」とは、そもそも何でしょう?
多くの国民は豊かな森が国土を覆っていると思われるでしょう。
その実態は、1/3の森林は、広葉樹を中心とした「自然林」です。しかし、残りの1/3の森林は、スギやヒノキなどの針葉樹を中心とした「人工林」です。

森林の「森」と「林」の意味

森林という言葉の意味を確認しましょう。
「森」は自然に生まれる「自然林」。「林」は、生(は)やすと言われるように人工的に作られた「人工林」と言われます。現在の日本の「森林」は、森と林が半分づつ混在しているということです。

「自然林」は、人間が手を加えなくても自然に形成されてきた樹木の集合です。放っておくと究極は、人が立ち入らずに出来る原始林になっていきます。
「人工林」は、農業と同じく野菜の苗の代わりに、スギやヒノキの苗を植えて大きく育てて作物として収穫して売ることを目的にした「木の畑」です。

人工林と自然林の違いは、ミツバチの世界と似ています。
人工林は、人工的に増やす家畜昆虫の西洋ミツバチです。自然林は、自然に増えて生活する野生の日本ミツバチや花バチ昆虫です。

人工的なモノの弊害も似ています。
スギやヒノキやマツなどの数少ない樹種で構成された人工林は蜜を出す花がありません。(裸子植物だけ)ですから花バチは棲めません。木の実も成らないので動物も棲めません。落ち葉も少ないので菌類や微生物も少なく有機物が分解してできる土も出来にくいのです。
人工林を自然の森(生物多様性の森)と比較した場合「死の森」と呼べそうなほど生物が少ないのが特徴です。ですから人工林が増えると生物多様性が失われます。

自然林を人工林に変えた森林
生物の気配が少ない人工林
人工林は伐採することを前提としている

森林を「林業」と「森業」を分けて

気候変動などの対応として、生物多様性の森づくりや自然環境再生が重要だと政府も自治体も訴えています。そして、生物多様性条約や生物多様性戦略として進めようとしています。
ならば、国土の1/3もある人工林を生物多様性のある森に戻さなくてはなりません。しかし、実際の森林政策や森林環境税の使途のほとんどが生物多様性とは反対の人工林を維持するために使われるようです。経済で動く林業は効率性を求めていきます。自然の森づくりと方向が違う矛盾だらけの森林政策は中途半端で不可能でしょう。
日本の森林政策は「林業政策」しかありません。しかし、生物多様性も訴えるなら森林政策から「森」を分離して「生物多様性を目的とした森業政策」を進めるべきだと考えます。

生物多様性の森づくりのための調査