2014年5月30日
近くの春日山原始林に隣接する森の中に、モリアオガエルが生息する池があります。
春日大社、世界遺産に隣接する場所なので、伐採や建物等は建造できない森です。
5月から6月にかけて、モリアオガエルの産卵の時期です。
産卵は、オスが池に待機して、鳴いてメスを呼び寄せて、メスの背中にしがみついて結婚します。
森の中に棲むモリアオガエルは、ヘビやイタチ、タヌキなどの天敵から身を守るために樹上で生活する進化を遂げました。
そして、多くのカエルは水中に産卵するのですが、モリアオガエルは、池などの水面の上にせり出した木の幹や枝に産卵します。粘液を泡立ててその中に数百ヶ産卵するのです。
画像にあるメスのモリアオガエルは股を広げていますが、実は、背中に小さなオスを背負っています。
一週間ほどで、卵からオタマジャクシが現れて、雨が降るまで泡の中で待機します。
そして、オタマジャクシは雨が降ると泡が溶けると共に水面に落ちて、今度は水中でカエルに成るまで生活するのです。
奈良県では、モリアオガエルは、絶滅寸前(絶滅危惧種I類)として、レッドリストの指定を受けています。
現在、「グリーンあすなら巨樹巨木の会」の仲間とこの森を整備して、自然林での樹木の同定や森の生態を学ぶ「滝坂の森・学習林」づくりを4年前から行っています。