2013年9月12日
西洋ミツバチの謎の大量死の原因と対応
蜂群崩壊症候群(CCD)と呼ばれた、大量のミツバチが失踪する現象です。
2006年頃からアメリカを中心にヨーロッパ、日本と世界中で問題になっています。
これを謎の大量死として、その原因は不明でしたが、ここ数年、原因究明の研究が進み現時点では、気候変動やダニなどの複合要因があるが、ネオニコチノイド系農薬が主要因である言われています。
EUでは、主要因の可能性が高いネオニコチノイド系農薬の使用を2013年12月から2年間使用禁止にすると決めました。
しかし、日本では未だ使用禁止はされていません。
ところが、日本でも、愛媛大 農学部河野公栄教授らの研究チームの分析で、ネオニコチノイド系農薬が市販の13種の全国産蜂蜜(調査対象)全てに残留していることが確認されています。
(2013年8月18日付け東京新聞)
※ネオニコチノイド系農薬とは、1990年代に農薬・殺虫剤などに使用され始めた新しい薬品で、タバコのニコチンに似た物質を主要成分とするためにネオニコチノイド(総称)と呼ばれるようになりました。
昆虫の神経の働きを阻害して殺す働きがあります。
日本国内のネオニコチノイド系農薬の使用規制を
西洋ミツバチは、大和ミツバチと同様、食物は花の蜜と花粉です。
ですから採蜜と同時に受粉活動を行います。
野菜や果樹、果物など農作物のほとんどが、ミツバチの受粉で実を成らせます。
明治時代に日本に入ってきた西洋ミツバチですが、いなくなると農作物の生産に大きな影響があります。
(ヨーロッパや、アメリカでは古くから西洋ミツバチの伝統養蜂によって農作物を生産していますから、その打撃は大きいのです。)
西洋ミツバチの謎の大量死の原因がどうあれ、現実に「ネオニコチノイド系農薬が市販の13種全ての国産蜂蜜中に残留している」ことが証明されたわけですから、ネオニコチノイド系農薬の使用規制を即刻行うべきです。
西洋ミツバチ養蜂への疑問
西洋ミツバチの大量死は、なるべくしてなったように思います。
近年、国際競争力を高めるための農業政策が推し進められ農業の合理化、効率化が重視されています。そして、それに農薬・化学肥料の発展が伴います。
今の農業は、利益率(儲け)を高めることが主眼です。
西洋ミツバチ養蜂も全く同じ状況です。
ほとんどの方は、知らないと思いますが農業や養殖漁業と同様に、・・・ハマチにやるように抗生物質をミツバチに飲ませて(食させて)いるのです。
驚くほど沢山ある病気の予防のためです。
農薬や、養殖の投薬と同じです。
病気と薬の追いかけっこが、西洋ミツバチ養蜂の世界にもはっきりとあるのです。
養蜂家の方にとっては、当たり前の事なのですが、養蜂以外の方には「驚き」です。
当然、ハチミツにも影響します。
また、日本での市販ハチミツの95%以上が中国などの輸入品ですから・・・。
がむしゃらに利益率を高めるための怖さは、・・・推して知るべしです。