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異常気象と共に訪れた日本ミツバチの分蜂群

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今朝、まだ9時前、閉め切った家の中にミツバチの羽音が響き渡った。その羽音を聞き、すぐに分かった。「あぁ、分蜂群がやって来た!」と。窓の外を覗くと、ミツバチたちが舞い踊っている。どの巣箱に入るのか、スマホを片手に見に行った。

家の周りには、かつて使っていた巣箱や撤去してきた巣箱が無造作に積み重ねられている。作業場に置かれた巣箱に入られると、後の処理に困ることになる。

6月中旬のこと。我が家の周りには既に8つの巣箱があり、そこはミツバチたちの棲家となっていた。

外に出てみると、二つの巣箱にほぼ同時に、どこからともなくやって来たミツバチたちが集まろうとしていた。いつものように、すさまじい竜巻のような光景。それが二つも同時に起こっているのだから、羽音はますます大きくなり、遠くからでもその様子がわかるほどだった。どちらの巣箱も2メートルほどしか離れていない場所にあるにもかかわらず、ミツバチたちは平然とやって来る。この異常な光景に、胸がざわつく。

空はまだ雨雲に覆われ、今年は例年にないほどの梅雨が続いている。まるで、昔ながらの日本の梅雨がそのまま戻ってきたかのようだ。気候変動により、地球は苦しんでいる。気温の変化により、作物もハチも動物も影響を受けている。それでも人間だけがのんびりと日常を過ごしているように見える。しかし、自然の変化を目の当たりにすると、地球の痛みがひしひしと伝わってくる。

今朝まで降り続いた雨の合間を縫ってやって来たミツバチたちは、分蜂した後、どこかの木に止まり、必死で雨をしのいでいたのだろう。この冬を越えた2群の巣箱が10群にもなるのは、さすがに多すぎると感じている。ミツバチが来るのは嬉しい反面、不安もつのる。その原因を考えてみた。草花が豊かな地域では、春に分蜂した群れが成長し、6月に再び分蜂することがある。今年は気温が高く、早くから分蜂が始まったため、その現象が頻繁に見られるのかもしれない。

しかし、100群以上を管理していた経験からしても、ミツバチ感染病がなかった頃ですら、2群のミツバチが増えても4〜5群程度だった。あの頃と比べても、今の状況は異常だ。自然は決して嘘をつかない。そこには必ず理由があるはずだ。

かつて、春日山原始林で大量に花が咲き誇る木を見つけたことがあった。異常なほどの花の数に、ただ美しいとは思えなかった。生物は死の前に子孫を残そうと必死になる。最後の力を振り絞り、精一杯花を咲かせ、実を結び、種を残そうとする。その光景を思い出した。

幸いにも、ダニやウイルスなどのミツバチ感染症は確認されていない。しかし、我が家の狭い空間に集まった彼らがこれからどうなるのか、想像もつかない状況を迎えている。 2024年6月29日の朝。

動画準備中!

※動画について
今朝やって来た群れの一つ、女王蜂が入る瞬間をスマホで撮影することができた。今年は、同様の動画や分蜂時の女王蜂が飛び立つ場面など、多くの観察動画を撮影している。