2012年4月18日
やっと春が来ました
遅かったですねー、今年は。冷たい雨や曇り空が続き、自然のリズムが狂っています。この先も心配です。
大和ミツバチも森や野原で、この寒くて長い冬を上手く耐えたのでしょうか?多くの群が死滅したのではないでしょうか?
今年の春は、多くの分蜂を捕獲する予定で、半年間準備してきました。さて、結果はどうなるか、神のみぞ、否、自然のみぞ知る!?ですね。
この春はじめての分蜂
4月15日に家裏の養蜂場で、初めての分蜂がありました。
昨年は、4月5日ですから、10日遅れです。
ミツバチはメスの集団
日本ミツバチ(大和ミツバチ)は、群で生活をしています。ひとつの群れを構成するのは、女王蜂が1匹と、その他は働き蜂です。
大きな群のハチの数は2万匹にもなりますが、小さな群では千匹ほどの群もあります。群によってその規模は、全て異なります。
これは女王蜂の繁殖能力の差です。
繁殖能力の高い女王蜂は、1日に1000個の卵を産むといわれています。そして、生まれた蜂が、また巣を大きくします。
日本ミツバチの場合は、女王蜂が死ぬと(いなくなる)と群全体が消滅します。(セイヨウミツバチの場合は、サナギがある場合は働き蜂が餌をコントロールして女王蜂を作る場合があります)
ちなみに、働き蜂はメスです。
ミツバチの世界では、オス蜂は女王蜂が生まれる春に、受精するために(受精させるために)数百匹ほど生まれて、春の受精期が終わると死んでしまいます。
分蜂とは
動物の多くは、卵や子供を産んで子孫を残します。種の保存です。ところが、ミツバチの場合は、群(コロニーと呼びます)が大きくなると分割して、増えます。
コロニーが増えることによって、子孫群を残します。ミツバチの不思議な種の保存方法です。
この分割した群が、次の巣を見つけて移動するのですが、群の分割を「分蜂」と呼んで、その群を「分蜂群」といいます。
分蜂は、先に巣にいた女王蜂が、働き蜂を引き連れて群で巣を出ます。
巣を出るタイミングは、次の女王蜂が生まれる寸前と言われます。同居すると殺し合いになるため、それを避けるように分蜂します。
人間の嫁と姑の同居のように、仲の悪さは秩序を乱し、群を混乱させるのでしょう?!
人間と違う点は、最初の分蜂で巣を出る女王蜂は「母親」です。
春に複数の女王蜂候補の卵を産むのですが、最初に生まれる長女(女王蜂)を巣に残して出るのです。
これが平和の秘訣かも!?
群の大きさ(勢い)によって、0回から多い群では5回ほど分蜂を繰り返し、種の保存活動をおこなうのです。
分蜂では、次のような順番で巣を出ます。母親→長女→次女→三女→四女→五女・・・。
分蜂群を捕獲するタイミング
大和ミツバチの養蜂を行う場合、分蜂群を捕獲しなければなりません。(セイヨウミツバチの場合は、人為的に幾らでも群を増やすことが可能です。)
分蜂は、春の暖かい穏やかなお昼前後に巣別れします。
群が大きい場合は、その羽音が数十メートル離れていても聞こえます。まさに竜巻のように蜂達が空を渦を巻くように、巣のそばの上空を飛び回ります。
初めて体験する場合は、その不思議な迫力に驚きます。
そして、次の巣の行き先がきまるまで、木の枝や、軒下などの「止まり木」に蜂が女王蜂を囲んで包群をつくって待機します。
おとなしくなったこの時が、分蜂群を捕獲するタイミングです。
大和ミツバチが分蜂する場合、別働隊の偵察蜂が次の巣を見つけに出かけています。
巣が既に見つかっている場合は、すぐに群は飛び立ち移動しますが、見つからない場合は、数日や一週間以上も留まることがあります。
ミツバチは、分蜂のために巣を出る前にハチミツをお腹いっぱいにため込んで出るのですが、次に行く巣が余り長く見つからない場合は大変です。
食糧のハチミツが無くならないうちに移動しなければならないのです。
捕獲するタイミングは、移動するまでの「間」と言うことになりますが、とにかく速やかに行うことが大切です。
分蜂群を勝手に捕獲?!
分封する巣箱から少し離れた(20m以上)場所に、空の巣箱を設置しておくと、分蜂時に偵察蜂が出入りしている場合があります。そして、止まり木の分蜂群は早い時間に移動します。
このような場合は、捕獲しないで見守るだけで、分蜂群の捕獲完了です。
我が家の、今年の最初の分蜂群は、このような状況でした。
止まり木に留まってから、20〜30分ほどで、移動しました。
その移動した先は、捕獲用に設置した巣箱ではなく、仮置きにしておいた、通路に面した箱でした。
なにはともあれ、最初の分蜂が無事捕獲できたので良かった、良かった。
野生種の大和ミツバチは、捕獲しても逃走するため、移動や環境変化を極力避けて、行う場合も細心の注意が必要です。