その他

養蜂による「花バチの危機」──

その他
この記事は約2分で読めます。

ミツバチの増加が野生の花バチを追いつめている現実
近年、イタリアの離島で行われた研究により、養蜂用ミツバチが野生の花バチを圧迫し、約80%もの個体数減少を招いた可能性が明らかになりました。ミツバチが花の蜜や花粉を集めることで、在来の花バチたちが十分な餌を得られなくなり、行動や繁殖に深刻な影響が出たのです。

詳細情報:〈NATIONAL GEOGRAPHIC〉2025.06.25
養蜂で野生ハナバチ8割減か、餌めぐる競争が離島の実験で判明
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/25/060200299/?P=2

この問題の本質は、「外来の飼育種(ミツバチ)」と「在来の野生種(花バチ)」との餌資源をめぐる競争にあります。

ビーフォレスト活動は、なぜ「花バチ」なのか?

私たちNPO法人ビーフォレスト・クラブが取り組んでいるのは、野生の花バチ(Wild Bees/Native Bees)を守り、増やす活動です。

ミツバチは社会性をもち、人間が管理できる生きものです。しかし、花バチの多くは単独で生き、地域の自然環境に適応して共進化してきた存在です。彼らは在来植物との深い関係性を築き、食物連鎖や生物多様性の基盤を支えるキーストーン種でもあります。

花バチが減れば、地域の植物が実をつけなくなり、森や農業の基盤が崩れます。

今、必要なのは、「TakerからGiverへ」の転換

ミツバチを「使う」だけではなく、自然に「与える(Giver)」という発想への転換が求められています。

花バチは私たちに「使役」される存在ではありません。彼らが自由に飛び回り、自然の中でその役割を果たすことが、森や田畑の再生につながります。
「花バチを増やそう!ハチ宿を作ろう!」という行動は、まさに私たち自身が自然資本の損失を止め、回復させるネイチャーポジティブな一歩です。

私たちにできること


・養蜂を始める前に、その地域の在来種と生態系への影響を評価する
・保護地域では、在来種優先の原則を守る
・花バチのための「ハチ宿」をつくり、地域に根ざした回復活動を進める
・野生の花バチの観察やモニタリングを通じて、データに基づいた保全活動を行う
・「No Bees, No Future !」の本当の意味を知り、「ミツバチ=善」の単純な図式を見直す

みんなの誤解が自然を壊します!
このように、ビーフォレスト活動は、科学的知見と地域文化の両面から、花バチを起点とした生物多様性の再生を目指しています。
自然に寄り添い、未来に花を咲かせるために。
いま、私たちにできることを、一緒にはじめましょう。
NPO法人 ビーフォレスト・クラブ https://www.beeforest.jp/