Bee Forest Clubハチ増やそう駆除レスキュー

排気口にミツバチが、でも駆除は・・・

Bee Forest Club
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ミツバチを殺さずに排除するにはどうすれば良いでしょうか?と以下の問い合わせがありました。
NPO法人 ビーフォレスト・クラブとしては、あまりにも沢山の問い合わせがあるため、会員のみに対応していますが、今回は皆さんと多くの共通する点がありますので、あえて記録に残すことにしました。
〈私の指摘です〉

東京都中野区のAさんからの問合せ

“マンションの通気口に棲みついてしまったミツバチについて。

3年前(令和3年・2021)の夏に、マンションのベランダの排気口に蜂の群集ができていること気づき、蜂駆除業者に相談して見にきてもらったところ、ミツバチであると確認されました。無害であり希少なのでやがて居なくなるの待ってから通気口内の巣を除去するのが望ましいとのアドバイス。(業者の話だと3年で活動が収まるらしい)。〈通気口で巣を作ることは、たまにあります。3年で活動が収まる・・・この意味も不明です

私としてもむやみな殺生は避けたいので、今は放置して見守っている状況ですが、排気口は台所の換気扇に繋がっており、夏はしばしばそこから部屋に入り込んできます。その度に部屋の電気を消してベランダから外へ誘導しているのですが、その際の羽音や手間が多少なりとも支障です。放置した場合排気路の劣化や何らかのトラブルも心配です。

昨日たまたまYoutube で、長年ミツバチが棲みついた阿吽像の頭部を切り離して移設するという動画を見ました。(その内容でビーフォレストさんを知りました)〈その状況の画像を一部載せました〉
長年にわたり棲みついているものなんだと知り、我が家のミツバチもずっと居続けるかもしれないと思いました。

昨年、大規模修繕を行った際に工事業者がベランダに入り、排気口の部分だけ補修作業ができなかったので管理組合からも駆除を要請されています。通気口の中なので巣の移設も難しく、どうしたものかと思っています。できることなら蜂たちを傷つけずに吸い出して捕獲し、巣も取り出して一緒に安全なところ引っ越しさせてあげられたらと思うのですが。
今も排気口から出入りするミツバチが見られますが、寒くなったせいか最近は1日数十匹の蜂の死骸がベランダに転がっています。最近は部屋の中に迷い込んでくる蜂は居ませんが。

どうしたら良いかアドバイスいただければと思い問い合わせさせていただきました。

ミツバチおじさんの「返答」

お問い合わせについてですが、その日本ミツバチは、地理的に見て新宿中央公園周辺からやってきたと思われます。現在の住宅構造は棲家がなく、住宅の密閉度が高いため屋根裏にも入れず、小鳥や日本ミツバチにとって過酷な環境になっています。

まず正確な状況を把握することが困難であるため、強制的に生かしながらの撤去は情報不足です。しかし、強制駆除になる前に試みる方法はありますが、その効果の確かさは不明です。
これは難しいですが、根気よくチャレンジしてみてください。ただし、この方法はミツバチが生きて春を迎えられる場合に限ります。

1〉桜が咲く前、ミツバチの活動が始まる頃、3月の初旬か中旬頃から、台所の換気扇や排気口に線香で煙を送ってください。これを1日数回行い、ミツバチにとって不快な煙を発生させます。まずは線香5本でテストし、状況を見てください。

2〉3月中旬から下旬頃、ミツバチの活動が活発になったら、線香の本数を増やしたり、煙の量と時間、回数を増やしていきます。蚊取り線香も有効かもしれません。ただし、強すぎるとミツバチが死んでしまう恐れがあるので、注意してください。

とにかく嫌がらせをして、ミツバチに「ここには住めない」と感じさせることが目的です。桜が満開の頃には、ミツバチが巣を去ることを目指します。桜が満開で、ミツバチが活発に出入りしている場合は、方法が効果を発揮していないということです。
もし方法が成功すれば、ミツバチは巣を移動します。幼虫や蜂蜜を残して巣を去るのは、人間と同様に辛い選択です。

近くに新しい住処を見つけた場合、ミツバチは残った蜂蜜を取りに来ることがあります。この場合、ミツバチがまだいるように見えますが、実際には蜜を取りに来ているだけです。
ミツバチが足に花粉をつけていない場合、幼虫の餌として花粉を運んでいないため、本来の巣を形成していないと判断できます。つまり、ミツバチは残りの蜜を取りに来ているだけです。
それでも状況が不明な場合は、煙を強くして様子を見てください。

以上で、ミツバチがいなくなったか、蜜を取りに来ている状態になったら、巣を撤去しても大丈夫です。・・・などなど。

ミツバチが群れで移動するときには、一度、このように蜂球を作ります。そして、次の家を探して、見つかれば移動します。

棲家が少ない日本ミツバチ

どうしてミツバチが排気口に棲むのでしょうか? 仁王さんの頭の中に何故?
それは、棲家がないのです。
本来、野生の日本ミツバチは大きな樹木に出来た空洞(ホラ)などに住んで森の草木や農作物の受粉をして花の蜜と花粉をもらって生きている大人しい「花バチ」=訪花昆虫です。

ミツバチや花バチのための棲家を作るビーフォレスト活動→

ところが、人工林が増えたり工場や道路など都市化が進んで、自然の森が激減してしまいました。
洞のある大きな樹木もなくなっています。そして、蜂は怖い!と駆除する人が増えています。
當麻寺の事例は、参拝者が危険なので駆除して欲しいと20〜30年前から寺側に言っていた様です。
寺側も関係者もミツバチや花バチ、受粉など生物多様性や生態系のことを理解していなかったために、排除することになったのです。

人と蜂の共存は、熊や猪などと同じ問題を孕んでいます。
森を壊しておきながら危険だから排除する!・・・なんと自分勝手な理屈でしょう。
しかし、これらは無知や誤解から生まれています。
「ミツバチ」や「花バチ」を何故大切に守らなければならないのか?
スズメバチですら私達にとって、ありがたい存在だと言うことを知らなければなりません。
そして、殺す排除するだけではなく、人間が壊したのですから共存出来る工夫を皆んなでやらなければなりません。
言葉を行動に!知識や体験から実践へ
皆んなでやらなければ、蜂はいなくなってしまいます。

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