ハチの誤解・矛盾ハチ増やそう

ビーフォレスト観察会「子供ひらおか塾」(枚岡神社)

ハチの誤解・矛盾
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2015年7月25日

7月23日、大阪府東大阪市にある枚岡神社の夏休み「子供ひらおか塾」(産経新聞主催)で・・・ミツバチの誤解や、ハチミツの誤解、日本の森の危機的実状、大和ミツバチ(ニホンミツバチ)激減の現状などを50名ほどの親子参加者に伝えてきました。
「自然と命の大切さ」を「大和ミツバチ(ニホンミツバチ)が森をつくる」話を鎮守の森を歩きながら・・・。

鎮守の森を守る

枚岡神社の鎮守の森は、ビーフォレスト・クラブの活動の場所「BeeForest枚岡神社」でもあります。
大和ミツバチを増やして、森の再生を沢山の方々に、学び伝えていく場所です。

枚岡神社は、大きな木がいくつもあります。その中、毎年2つの樹(ケヤキ、ムクノキ)の洞(木の空洞)に、大和ミツバチが棲みます。
また、近鉄電車、枚岡駅の真ん前にある鳥居の左横に、大きな灯籠がありますが・・・その中にも、棲んでいます。
そして、本殿の社の屋根にも棲んでいたのですが、ここのところ姿が見えません。
この春にBeeForest活動で、大和ミツバチを増やすために置いた、3つの空の巣箱のうち、2つにも大和ミツバチが棲んでいました。
いまのところ、自然巣が3箇所と、巣箱の2箇所の計5箇所(5群)います。
枚岡神社の鎮守の森には、大和ミツバチがいっぱいいるようです。

地元の方が、神社の入り口に「ハチ」がいるので駆除して欲しい。何故駆除しないのかと何度も言われ・・・枚岡神社の宮司さんや禰宜の皆さんもミツバチは自然の一部だから殺すのはおかしんじゃないかと・・・で、一昨年の今ごろ、私が呼ばれ見に行きました。
そして、ミツバチの生態や役割などの話をさせて頂き・・・枚岡神社の宮司さんも得心が行ったようで、自信をもって保護することになったのです。森(杜)を守る神社が積極的にミツバチの保護を行うのは当然のようで、実際は珍しいことです。
そして、BeeForest枚岡神社(ミツバチと森をつくる活動)のフィールドとして、場の提供をして頂いたのもコレがきっかけでした。

大和ミツバチが沢山いるのは、豊かな森

しかし、空の巣箱を置いて直ぐに入るところをみると、まだまだ棲み家となる場所が少ないようです。
住宅難なんですね。灯籠や社に巣をつくることからもそれが覗えます。
豊かな森といっても、枚岡神社の中だけでは洞のある木は少ないです。
周りの森に、大きな自然林(広葉樹)の木々が増えれば、人家の屋根裏や、灯籠などには棲まなくて済みます。

来年は、もっと巣箱を置いて、少しでも大和ミツバチの住宅難を解消できればと考えています。

「ミツバチは怖くない!」

また、こう言った森づくりの話とは違って、多くの方々の意識は、「ハチは怖い」「刺されるので駆除して欲しい」「神社や森でハチを飼うのはもってのほか」・・・などの意見が基本にあります。
これが、そもそも大問題です。BeeForest活動の一つの障壁になっています。
学校ではカブトムシやカマキリなど子供が好きそうな昆虫の話は良くするようですが、一般に危害があると言われる「ハチ」については、全く教えていないのです。
「スズメバチやアシナガバチ」と「ミツバチ」は全く違います。
また、「西洋ミツバチ」と「大和ミツバチ(ニホンミツバチ)」も大きく違います。
日本において「西洋ミツバチ」は、森づくりにはほとんど関与していないのです。
逆に、大和ミツバチの生息を脅かす阻害要因に成っている場合さえありますから。

このような「ミツバチは怖くない!」ことに重点を置いて、今回は話させて頂きました。
少なくとも「ミツバチ」は、怖くないですよ。人間が悪さをしなければ・・・。
例えば「スズメバチやアシナガバチ」は何度でも刺せますが、ミツバチは、一度刺すと自分が死んでしまいますから、よほどの事がない限り刺さないのです。
また、他のハチも刺される場合の原因はほぼ人間側の不注意です。
全ての「ハチ」「昆虫」「虫」は、自然と繋がっています。
これらのことを少なくとも理解して、「ハチ」だと言って何もかも殺さずに、人間との関わりのバランスを考えて対応してください。

自然は繋がっている

自然の話をするときに、いつも大きな課題が見えます。
「自然は繋がっている」という概念です。「共に支え合っている」という事実です。
生態系(エコロジー)とは、「繋がる関係性」でなり立っています。
人間社会も全て同じです。人と人が繋がっている「人間」という漢字がそれを示しています。
そして、人間は自然と繋がって生きていく生物なのです。その認識が全ての前提です。教育の前提でもあります。

しかし、カテゴリーの学校教育や、学問の分化による専門性が、逆にこの「繋がる関係性の思考、体験教育」をなおざりにしてきていたようです。
自然環境を捉える為には「繋がる関係性の思考」が前提となります。
その一例が、「ミツバチが森をつくる」・・・ミツバチと森が繋がっていることです。
これらを特に環境や教育に関わる方は認識して欲しいと・・・願います。