2014年4月13日
12月の中旬。
春日山原始林の山の向こうの村から連絡が入りました。
「大きなハチの巣をとって欲しい」と。
どのような巣か。興味もあって早速出かけました。
農家の家の軒下に、黄色スズメバチの大きな巣が見えます。
はしごで登って見ると、黄色スズメバチがヨタヨタと巣の入り口付近を歩いています。
ミツバチ以外のハチは、冬にはいると女王蜂以外は死んでしまいます。
女王蜂は、枯れ木の隙間などに入って冬眠して冬を越すのです。
ミツバチは、名前の通り冬の食糧として蜜を溜めて冬眠しないで乗り切ります。
このように冬眠しないで冬を越す昆虫はミツバチだけです。
外来種の西洋ミツバチを除くと、古来から日本では大和ミツバチだけが、このようにして冬を越します。
瀕死の状態の黄色スズメバチですから、あまり怖くはありません。
建物から、巣を破がし取りました。
60センチほどの大きさです。2Kgほどでしょうか。
観察用の巣のサンプルとして家に持ち帰り、倉庫にしばらく置いておくと、20〜30匹ほどの黄色スズメバチが、巣から出て死んでいました。
黄色スズメバチやオオスズメバチの文様の不思議と美しいこと。
これは、枯れ木の木くずを、ハチがだ液で固めてペーパーのように加工して、幾十にも重ねて巣をつくっています。木の種類が異なるために、色彩の異なるマーブル調の文様になります。
ちなみに、このような巣は一年間の使い捨てです。もったいないですね。
来年も同じ所に、ハチが入って棲むようなことはありません。
ご安心を!
黄色スズメバチの巣を奥さんに持ってもらいました。
形が何となく昔の宇宙人のようになりました!?
この宇宙人を・・・否!、ミツバチ見学に訪れる方に巣をお見せ出来るように、壊れやすいのでつや消しの透明塗料を吹き付けて・・・置いています。